2020年05月07日
令和2年万部法要
本年の万部法要は国難とも言える新型コロナウイルスの列島感染拡大の影響を受け、規模を大幅に縮小して大念佛寺職員にて執行いたしました。「平野の万部」と言えば「菩薩のお練り」ですが、今回は自粛という苦渋の選択を迫られました。万部のシンボルであった本堂に架かる来迎橋もありません。
「万部おねり」は本来「阿弥陀経万部読誦法会」と「二十五菩薩聖聚来迎会」の二つが組み合わさった大法要です。万部おねりとは(ホームページ内詳細へ)
近世、毎年欠かすことなく行われてきた二つの法要ですが、本年に限り「阿弥陀経万部読誦法会」を厳修する事で『国土安穏』『疫病退散』『先祖供養』を念頭に回向発願を申し上げました。
疫病退散国土安穏令法久住利益人天
これは万部期間中のみならず毎日祈願している文言です。私たちは常に「病」に翻弄されます。しかしそれに打ち克つため私たちはそれぞれの立場で努力をするのでしょう。医療現場はもとより、一人一人の行動にもその努力が求められています。我々僧侶は古来より疫病を鎮める一躍を担ってきました。僧侶の立場で目に見えぬ仏法の力を以て人天(生きとし生けるもの)にご利益を授かるようご本尊に弘願(ぐがん)いたします。
先祖供養 (塔婆回向)
本年は本堂や楽邦殿(納骨堂)などの諸堂への立ち入りを制限させていただく事となり、ご心配とご迷惑をおかけいたしました。施主様の前で読経し、戒名を読み上げ、焼香して手を合わせて思いを巡らせていただきたい…と常々考えておりますが、今回は不本意ながら郵送にて受付し5日間の常回向としてご回向申し上げました。申し込みいただきました戒名は塔婆へ書き込み、午後1時からの本行(1日に3回行われる勤行である半斎・前行・本行の中で最も核となるもの)にて8名の僧侶により阿弥陀経読誦の功徳を以て懇ろにご回向いたしましたので、どうぞご放念くださいませ。