2023年05月16日
【本堂大改修】起工式が行われました
令和5年5月10日、五月晴れのうららかな天候のもと大念佛寺本堂の起工(きこう)工匠式(こうしょうしき) が厳かに執り行われました。
建築の儀式には、計画されてから竣工するまでの各節目に、事業が無事に成就することを願い、それらの節目を「正す」、「祝う」、「勤労感謝を表す」等の意味合いで執り行いますが、その儀式の一部である工匠(こうしょう)式は、一説には平安時代にはじまり、今日まで受け継がれていると言われています。
この度の起工工匠式は、 設計監理者である 有限会社 伊藤平左ェ門建築事務所 名古屋事務所の望月所長に検知役を、施工者である株式会社 金剛組の専属宮大工の各棟梁と技術者を工匠役として執り行われました。
儀式の内容は、「振幣(ふりへい)」 で、場を清めることから始まり、「杖打(つえうち)の儀」で、 尺杖 (しゃくじょう)という、 1尺ごとに目盛りのついた杖のような物差しで、材木の大きさが正しいかを確認します。
次に「墨矩 (すみかね) の儀」 で、 材木の両側から曲尺 (かねじゃく)を見通し、墨差しという道具で墨を打ち、「墨打(すみうち)の儀」 で、「墨矩の儀」でつけた両側の墨を通すため、墨壺から出した糸を引き、墨を打つことで、材木を削る準備をします。
墨を付け終わると、「釿打(ちょんなうち)の儀」で、釿により場を清めてから初めて材木を加工するという釿打ちを行います。
最後に、「清鉋(きよがんな)の儀」 で、 槍鉋(やりがんな)という古式の鉋(かんな)で、「水」の漢字をえがくことで、火除けをして材木を削り清めます。
検知、棟梁を始めとする役者は古式にのっとった装束を身にまとい、宮大工の技術を象徴する動きを見せて下さいました。その姿は生まれ変わる本堂の前途を祝い、そして大改修の始まりを凛々しく正してくれるように感じました。