大般若転読

大般若転読

日時
2月3日 午後2時から
場所
本堂

大般若波羅蜜多経(だいはんにゃはらみつたきょう)とは?

「大般若波羅蜜多経」は、唐の三蔵法師のお一人であった玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)が、歩くこと30,000キロを17年の歳月に渡って、命がけでインドより唐の国にもって帰られた尊いお経で、その後4年間かけて翻訳されました。その巻数は600巻、字数は6億4,000万字。この功徳に対して、目を通すだけでもご利益があり、文字を見るだけでもありがたいものです。玄奘三蔵は翻訳後100日で亡くなられました。

大般若波羅蜜多経

転読とは

日本では「大般若転読法会」について、奈良時代から行われていたことが「日本書紀」から伺えます。転読とは、一つの経典を全て通読する真読(しんどく)に対して、経題や経の主要な部分を拾い読むことをいいます。また、お経は巻物であったため転ばして読んでいたことからともいわれています。

大般若経の転読は、僧侶が、経巻をひもとき、一巻、一巻、転読するたびに、「大般若波羅蜜多経巻第(だいはんにゃはらみつたきょうかんだい)第一巻~第六百巻、唐ノ三蔵法師玄奘奉詔訳(とうのさんぞうほうしげんじょうぶしょうやく)」と大声で唱え、転読が始まり、本堂内に並んだ僧侶が一斉に六百巻の経典を転読いたします。最後には経巻をもって「降伏一切大魔最勝成就(こうぶくいっさいだいまさいしょうじょうじゅ)」と言いながら経巻で経机をたたきます。この作法は、「すべての災(わざわ)いや悪を祓(はら)いとり除き、人々の願いをかなえて幸せに導いてほしい」という意味で一人一人の除災与楽(じょさいよらく)を祈る意味があるのです。

※参詣者には祈祷で加被力(かびりき)を持ったお札が授与されます。

転読とは

大般若転読法会のご本尊 十六善神

大般若転読法会の折には「十六善神」の掛け軸を本尊としておまつりすることになっています。大念佛寺の大般若転読法要の際には釈迦・普賢菩薩・文殊菩薩の釈迦三尊を描くものが祀られます。

正面上部に釈迦如来。象に乗られるのが普賢菩薩、獅子に乗られているのが文殊菩薩です。

文殊菩薩の下の僧形の菩薩が法涌(ほうゆう)菩薩、普賢菩薩の下の菩薩が常啼(じょうたい)菩薩です。

これを取り囲むように武装形の十六善神が描かれています。そして、下部右には経巻を収めた笈を負う玄奘三蔵、左に深沙大将を配しています。

これらの善神たちは「般若」をこれから我々で大切にお守りします、という大誓願(だいせいがん)をおこしたので、以後、これらの神々を「般若守護の善神」としました。

十六善神は別名、十六夜叉神、般若守護十六善神などともいわれています。

従って、大般若経を読む時には、必ず釈迦如来と共に、十六善神をお祀りするのです。

十六善神